「歳をとると涙もろくなって…」がガチすぎて困る:『陰日向に咲く』

25 11月

IMG 6345

またKindleセールをやっていたのでポチって読みました。

たぶん初めてですね、小説読んで泣きました。恥ずかしい…

連作小説で、それぞれの短編で主人公は別々なのですが、ある短編の主人公が別の短編のちょっとしたポイントで登場してくるなど、キャラクターを通して連作がつながっている面白い作品でした。こういうちょっとしたからくりがあるの好きです。

短編のひとつに、オレオレ詐欺をしようしながらうまくいかない男性と、その電話先のおばあさんの話があるのですが、そのラストでなんかナチュラルに泣いてしまいました。

いつものごとくKindle paperwhiteをジップロックに入れ、お風呂で読んでいたわけですが、湯船に浸かりながら嗚咽ですよ。
お前は素っ裸でいい湯だなしながら何やってんだと、冷静なもう一人の自分が言うのですが、まあ仕方ない。

うちの母はわりと涙もろくて、テレビドラマやドキュメンタリーをみてよく涙ぐんでいたんですけど、昔は子どもごころに「よくある展開じゃん、泣くほどかよ」と思ってました。

自分自身も、大学のころまでは、テレビを見たり本を読んでも、泣くことって全然なかったんですよね。

「自分はそうそう泣かない」…そう思っていた時期が、俺にもありました。

というわけで、ハードボイルド男子なつもりだったはずなのですが、20歳を超えたころから、映画でわりと簡単に泣かされるようになってしまいました。全然ハードボイルドじゃない。

最近だと『インターステラー』でダダ泣きしたし、ともすると『アベンジャーズ』みたいなヒーロー映画でも、ヒーロー達が力を合わせて頑張っているシーンを見て、じんとしてしまうのです。(ハードボイルドは何処に…)

そして今回の『陰日向に咲く』ですよ。
とうとう小説にもやられるようになったか…と感慨深いです。完全に老けましたね。

思うに、泣けるからといってその作品が作品として優れているとは限らないんですよね。『陰日向に咲く』がどうこうということではないですけど。

だいたい、泣けるポイントって、主要なキャラクターが死ぬか、親子エピソードが絡むかといったところ。まさに典型的な泣かせポイントなわけです。

子どものころ、そういったシーンを冷めた目で見ていたのは、自分と重ね合わせることができなかったからなんだと思います。
そこそこいい歳になって、子どもなんかもできてくると、そういう泣かせポイントが他人ごとと思えなくなる瞬間があり、ちょっとうまく演出すればすぐに釣り針にひっかかってしまう。そんな感じ。

なので別に、「泣けたから素晴らしい作品だ」とは思わないのですが、とはいえ何でもかんでも泣くわけではないので、泣いた作品は印象には残るという寸法。「泣ける」ことを売りにする映画や本もあるように、泣くこと自体は悪いことじゃないし、すっきりすることも多いですしね。

でもそれより本当は、「泣きはしなかったけれど、忘れられない印象を残した作品」のほうがすごいのではないかという気がします。
自分に重ね合わせなくても、感動を与えられるってけっこうすごいのかも。
例えば何か、と言われると、あまりすぐには浮かんでこないので、自分の鑑賞眼もまだまだだなあという感じですが。

まあきっとこれからもそこそこ泣くでしょうけど、我慢すればいいというわけでもないので、それはそれで心のデトックスとして味わうことにしましょう。OLか。

では。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です