同性愛は異常? 異常ってなに?

途中まで書いて下書きのままになっていたのですが、似たような話が立て続けにあったので、改めて書きます。

地方議会議員の方のTwitterでの発言が話題になりました。

鶴指眞澄・海老名市議がTwitterで差別発言「同性愛者は異常動物」

「同性愛は異常」というようなことをツイートしていたようです。(現在は謝罪)

さらには岐阜県議会議員の方も議会でのヤジで同じようなことを発言したようです。

「同性愛は異常」 自民岐阜県議、本会議でやじ:朝日新聞デジタル

いずれも憤りを感じます。

最初の海老名市議の件が話題になり、NewsPicksでもピックされていたのですが、コメントを読んでみたところ、論調としては、「異常だとしても公人がTwitterで言うのはあかん」というのがけっこう多く、「異常じゃないだろ」というコメントは少ないようでした。

これについて、思うところを書いてみます。

「異常」とはなんぞやという話です。

医学的見地からみた同性愛

最も客観的な観点としては、同性愛が医学的にどのようにとらえられているかというのがあると思います。

実はこの観点だとすでに結論に近いものは出ていて、1993年に、WHO(世界保健機関)が、「同性愛はいかなる意味でも治療の対象にならない」ということを宣言しています。つまり、同性愛は疫病や障害ではないということです。

医学の観点から(だいぶマクロに)言えば、健康な状態が「正常」で、治療が必要な状態、すなわち何らかの病気や怪我をしているのが「異常」でしょうから、その意味だと同性愛は異常ではありません

ちなみに日本でも、WHOの宣言を受け、厚労省や日本精神神経学会なども同じように「同性愛はいかなる意味でも治療の対象にならない」と宣言しています。

そもそも「異常」とは?

そもそも「異常」というのは「正常でない」ということですから、何かが「異常」であると言うならば、何が「正常」なのかを考える必要があります。

同性愛に関して言われるであろうことは、おそらく「子孫を残せないのに…」という観点かと思います。人間も生き物として子孫を残すこと(こそ)が正常だ、という考え方ですね。

もっともらしいですが、逆に言うと、異性婚でも、子どもを作らない、あるいは作れないのは異常だということになります。
世のDINKS(Double Income No Kids)家庭は異常、シングル志向の男女も総じて異常。おいおい。

「子どもを持つつもりはない」という人に対して「異常だ!」なんて言うのおかしくありませんか。単に個人の志向が違うだけです。そしてそれぞれの志向はどれも尊重されるべき。それが現代の社会ではないでしょうか。

件の岐阜県議も、「少子化が進んでいるのに同性婚を肯定するなんておかしい」みたいなことを言っています。
ですがそもそも、少子化は子どもを持ちたい人々に対して社会における出産・子育てのハードルが高いという問題なのであって、個人の尊厳を守ることが目的である同性婚の是非とは別の話です。

フランスなんて同性婚を認めた上で出生率も向上させてますしね。

性的志向として異常?

そもそも同性に魅かれること自体に違和感を持つという人もいるかもしれません。

ですが実際には、性的志向(男性を好きになるか、女性を好きになるか)は、グラデーションがあり、何がなんでも同性にしか魅かれない人もいれば、基本は同性が好きなんだけど、相手によっては異性でも恋愛対象になる人、さらにはバイセクシュアルのように異性同性問わないという人もいます。

逆に言うと、「自分はノーマルだ」と思っている人も、もしかしたら、何かしらの条件を満たしたときに、同性に魅かれるということがあるかもしれないということです。

いわゆる性的マイノリティとして注目されるのは、ざっくり言うと、「ある程度以上の割合で恋愛対象が同性になる」というだけなのではないかと思います。

程度の問題であって、正常・異常とどこかで切り分けられるような問題ではないでしょう。

どんな相手に魅かれるかと言うのは、同じ異性愛者の間でも、好みのタイプはけっこう違います。個人的には、「恋愛対象になる相手」の大きなグラデーションがひとつあるだけなのではないかと思います。

学びが必要

自分の周りに当事者がいない(ように見える)環境で生きてくれば、リアルなイメージなんてわきません。

年配の方々が、性的マイノリティのことをよく知らないというのは、時代背景を
考えれば仕方ないことでしょう。

ですが、現代では、様々なマイノリティの情報がそれなりにクリアに見えるようになってきました。

行政の重要な役割を担い、コミュニティに対して強い影響力を持つ、議員という立場にある人々が、「同性愛は異常」なんて平然と発言しているようでは、「最近のことは何もわかっていません」と言っているようなものです。

職業を問わず、ボーダレス化が進むこれからの世の中を生きていく上では、性的マイノリティに限らず、人間の多様性というものを「当然のものとして」理解する必要があります。

自分自身、まだまだ「頭ではわかっていても…」ということは多いです。本や人との出会いを通じて、これからも学んでいこうと思います。

性的マイノリティについては、これらの本が参考になりました。興味があればぜひ。

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